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2025.03.25

EC特化のARTIDA OUDが挑戦する、ジュエリーブランドの新しいビジネスモデル

サザビーリーグ初となるEC特化型ブランドとして2018年に誕生したARTIDA OUD(アルティーダ ウード)は、他ブランドにはない独自の商品デザインとデジタル戦略で成長を続けています。今回の記事では、EC特化型ジュエリーブランドの特徴やサザビーリーグアウルスケープが支援しているECサイト運営、MA施策運用についてお伺いしました。

千原 諒子(ちはら りょうこ) 2018年にサザビーリーグに入社。ARTIDA OUDの立ち上げ時からEC運営担当として参画。前職ではアパレル企業でPR、営業、カスタマーサービスなど幅広い業務を経験。

島 啓子(しま けいこ) 2007年にサザビーリーグに入社。agete(アガット)のMDを担当後、タイへのワーキングホリデーや他業界での経験を経て、現在はARTIDA OUD(アルティーダ ウード)でMD企画と商品、EC、販促のマネジメントをしています。ファッション、ジュエリーへの強い思いから、3度のサザビーリーグへの入社を経験。

▼ECサイト|ARTIDA OUD(アルティーダ ウード)

https://www.artidaoud.com/

「ありのままの美しさ」を追求するARTIDA OUD

──まずは、それぞれの経歴を教えてください。

島さん:

サザビーリーグに入社したのは2007年で、当時はジュエリーブランドのagete(アガット)に関わっていました。29歳でワーキングホリデーのため一度タイに渡り、英語を学びました。その後、複数のアパレル企業で働き、最終的に3度目のサザビーリーグに入社をし、現在はARTIDA OUD(アルティーダ ウード)でMD企画と商品、EC、販促のマネジメントをしています。

千原さん:

私は2018年にサザビーリーグに入社し、ARTIDA OUDの立ち上げでEC担当として参画しました。サザビーリーグの入社以前もアパレル企業でEC運営を担当していましたが、そこでは営業やPR業務なども含めた幅広い業務を経験しました。

──次に、ARTIDA OUDのブランドの特徴について教えてください。

島さん:

ARTIDA OUDのブランドとしての最大の特徴は、EC主体で事業を開始したという点です。多くの国内ジュエリーブランドが実店舗からスタートしているのに対し、私たちはデジタルファーストの考えでMD構成を組み立ててきました。また、1点ものの限定商品をあえて100点同日に販売し、新作一覧を1点もので埋め尽くすことでsold outの枯渇感を仰ぐなど、商品の見せ方を工夫しています。

千原さん:

商品面での大きな特徴は、天然石の表現の仕方にあります。ジュエリーブランドでは、完璧に近い石を厳選して使用することが多いのですが、私たちは意図的にインクルージョン(内包物)のある石も積極的に取り入れています。これは「完璧な美しさ」ではなく「ありのままの美しさ」を大切にするという私たちのブランド哲学の表れです。

また生産背景がインドにあることも商品開発における重要な要素となっています。特に天然石の調達においては、インドでの豊富なネットワークを活用し、個性的な石を使うことで、他のブランドにはない独自の商品ラインナップを実現しています。

さらにデザインとは別の側面では、社会貢献活動を商品開発に組み込んでいます。“I am” Donationというシリーズラインの商品では、1点の購入につき1,000円をインドの教育支援に充てています。これまでにインドで12の幼稚園を建設したり、単なるジュエリーの販売を超えて、お客様とともに社会的価値を創造するという私たちの想いを形にしています。

リング商品の一覧ページ

ブランド売上の6割を支えるECサイト

──EC事業の具体的な展開状況について詳しくお聞かせください。

千原さん: 

ARTIDA OUDの場合、全体の売上の約6割がECでの販売によるものです。会員数は現在数万人規模ですが、アウルスケープからのSNS運用支援を受けながら新規会員獲得のための施策も定期的に実施しています。お客様のターゲット層を設定していないのですが、特徴的なのは50-60代の比較的年齢層が高いお客様の購買単価が高い傾向にあることです。商品カテゴリーではリングが最も人気があり、次いでピアスの需要が高くなっています。

島さん: 

購買チャネルで見ると店舗とECで購買傾向に明確な違いがあります。ECではシンプルなデザインや定番商品が好まれる一方、店舗では実際に商品を手に取って輝き方などを確認できる天然石を使った商品の購入が多い傾向にあります。

現在(2024年12月)は、都内に2店舗を展開していますが、店舗のない地域にお住まいのお客様も多く、そういった方々にとってECは重要な購買チャネルとなっています。外部モールでも販売を行っており、特に新作の展開時には店舗に在庫のない商品でもECで購入できる利点を活かし、幅広い顧客層にリーチしています。

──アウルスケープからはARTIDA OUDにどんな支援をしていますか?

安田さん(アウルスケープ):

アウルスケープからは、主にECベンダーのマネジメントMA(マーケティングオートメーション)施策の運用支援の2つの軸で支援しています。ECベンダーマネジメントでは、BBF社(ファッションEC受託運営会社)と連携し、サイトの開発やコンテンツの更新を効率的に進めています。

島さん:

アウルスケープからの支援で特に効果のあった取り組みとしては、店舗在庫とEC在庫のシステム連携があります。以前は店舗のお客様がECの商品を見て在庫の問い合わせをされる際、カスタマーサービスの対応に多くの時間を要していましたが、システム連携によりお客様ご自身でECで見た商品の店舗在庫を確認できるようになりました。

千原さん:

MA施策では、LTV-LabというCRM分析ツールを活用し、顧客のLTV向上に取り組んでいます。2020年からシナリオメールの本格的な展開を開始し、カスタマージャーニーのマップ化を行いました。具体的には、カゴ落ち(カート放棄)やお気に入り登録といった基本的なシナリオから始め、現在では顧客セグメントに応じた細かな配信設計を行っています。

安田さん(アウルスケープ):

最近特に注力しているのは、初回購入者の育成とF2(2回目の購入)転換率の向上です。2024年の9月から購買履歴やサイトの行動データに基づいて、より精緻なセグメント配信を実施しています。また、メールマーケティングの効果が徐々に低下傾向にあることを踏まえ、LINE公式アカウントの活用も開始し、店舗でのQRコード読み取りによるID取得も促進しています。

(イメージ)カスタマージャーニー

アウルスケープとの協働でMA施策の効果が向上

──アウルスケープとの協働で特に評価できる点はどのようなところでしょうか?

島さん:

外部のコンサルタントと違い、ブランドへの深い理解に基づいた提案をいただけることが大きな強みです。私たちが気づかない視点で課題を抽出し、具体的な解決策を提示していただけます。例えば、先ほど触れた通りメールマーケティングの効果が低下傾向にあった際、店舗でのLINE ID獲得を提案してもらいました。また細かな事だと、商品のシリーズ名の変更があった際に、Web広告や連携施策のチューニング方法を指摘していただいたりと、事業者目線ではなかなか気づきにくい部分まで細やかなサポートをいただいています。

千原さん:

MAツールの運用でも、施策単体での実施ではなく、様々なパターンを組み合わせることできちんと数値の向上につながっています。また、社内だけでは得られない新しいSNSや広告に関する情報提供もいただけて非常に参考になっています。

今後の展望:他ブランドとの協業とECに特化した新たなビジネスモデル

──お二人の今後の展望についてお聞かせください。

千原さん:

個人としては、現在はジュエリーブランドがメインですが、今後はサザビーリーグ内で様々な商材を扱うブランドやショップを増やしていきたいと考えています。また、サザビーリーグの社風としてブランド間の情報共有の機会がまだまだ少ないので、積極的に交流を深める事で、他ブランドとの協業の可能性を模索していけるといいなと思っています。

島さん:

ARTIDA OUDは、ECに特化したブランド事業部として新しいジュエリーブランドのあり方にチャレンジし続けたいですね。私たちの部署はブランド創業時からのメンバーも多く、ECサイトの運営経験を生かしながら、SNSやLINEを活用したデジタルマーケティングの強化や、ARTIDA OUDに適したDX施策の実装を強化していきたいと考えています。

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