


数々のファッションやライフスタイルブランドを展開するサザビーリーグ。その中でも特に人気を誇るのが、創業から43年の歴史を持つAfternoon Tea。LIVINGとTEAROOMの2つのブランドを持つAfternoon Teaは、時代の変化に合わせて進化を続けながらも、変わらぬ魅力で多くのファンに愛され続けてきました。今回は、これらのブランドがデジタル時代にどのように適応し、新たな挑戦を行っているのか。そして、サザビーリーグのアウルスケープがどのようにサポートしているのか、たっぷりとお伝えします。
島袋 真菜紗(しまぶくろ まなさ) 2022年にサザビーリーグに入社。前職は複数ブランドを運営するアパレル企業でECサイト運営を担当。現在はデジタルマーケティングの経験を活かし、Afternoon Tea LIVINGのマーケティング部で主にSNSとWeb周りの業務を担当。
毛利 さやか(もうり さやか) 1999年にAfternoon Teaのアルバイトとしてサザビーリーグに入社し、23年間Afternoon Tea一筋のキャリアを重ねる。店舗での経験が長く、店長も経験。2021年4月にマーケティング部へ異動し、現在はAfternoon Tea TEAROOMのSNSを中心にブランドサイトの更新管理を担当。
▼Afternoon Tea アフタヌーンティー 公式Instagramアカウント
https://www.instagram.com/afternoontea_official
▼Afternoon Tea アフタヌーンティー 公式Xアカウント
https://x.com/AfternoonTea_LT43年の歴史を持つブランドがSNSで新たな挑戦。Afternoon Teaの魅力とターゲット層
──それぞれのブランドの魅力や顧客層について教えてください。

島袋さん(Afternoon Tea LIVING):
私は、Afternoon Tea LIVING(アフタヌーンティー・リビング)のSNSやWeb周りの業務を主に担当しています。LIVINGは、暮らしの中にちょっとしたスパイスをお届けできるようなダイニングやキッチン、リビング、バス、ステーショナリーからウエアまで幅広いアイテムを取り扱っています。
ブランドとして特徴的なのは、2週間に1回メインテーブル(店舗でのメインディスプレイ)の商品を変更していることです。これにより、何度来店しても常に新鮮さを感じていただけるよう工夫をしています。
顧客層は結構幅広いのですが、主に30代から50代の女性が中心となるブランドです。1人暮らしの方からファミリー層まで幅広く利用いただいていますが、最近は新規の顧客獲得に苦戦しているのが課題です。そのため、若い世代へのアプローチを強化したいと考えています。

毛利さん(Afternoon Tea TEAROOM):
私はAfternoon Tea TEAROOM(アフタヌーンティー・ティールーム)というサザビーリーグが運営するブランドでSNSとWeb関連業務を担当しています。TEAROOMは、全国に約85店舗以上お店を構える中で、単に食を提供するだけでなく、居心地の良い空間を提供することをとても大切にしています。メニューにも力を入れており、紅茶やパスタ、スイーツなど、季節にあわせたテーマにそってメニュー開発がされていて、味や見た目、すべてにこだわりを持っています。
顧客層は30代から60代の女性が中心ですが、最近は3世代で利用されるお客様も増えてきました。またどこの店舗に行っても安心して利用できるというのも、お客様に喜ばれているポイントです。aaaaaaa

── 両ブランドとも長い歴史がありますが、その中でSNSをどのように活用されていますか?
島袋さん:
そうですね、Afternoon Tea自体が43年の歴史があるブランドなので、長年愛用してくださっているお客様が多いです。例えば、お母様が好きで来店していて、そのお子さんが大きくなって20代30代になった今も来てくださるという、世代を超えたファンの方々がいらっしゃいます。
LIVINGのSNSでは、そういった既存のお客様との絆を深めつつ、新しい世代にもブランドの魅力を伝えていくことを意識しています。特に若い世代へのアプローチを強化したいので、Instagram等でのビジュアル訴求に力を入れています。
毛利さん:
TEAROOMも同様に、SNSでは長年ご利用くださっているファンの方々と、まだご利用いただいたことがない、または、ご利用まもないお客様の両方に向けて情報を発信しています。Instagramでは、店舗の雰囲気やメニューの魅力を視覚的に伝えることに注力しています。また、スタッフの声を通じて、よりリアルな情報を届けることも心がけています。
アウルスケープとの出会い。社内専門部署の存在がもたらす安心感と効率化
──アウルスケープとの連携はいつ頃から始まったのでしょうか。また、どのような経緯でアウルスケープから支援を受けるようになりましたか?
島袋さん:
約1年半前からです。以前は外部の会社にSNS運営の一部業務を委託していましたが、なかなか思うような成果が得られませんでした。業務量があまり変わらず、費用対効果の面で課題を感じていました。そんな時にサザビーリーグ内にアウルスケープができたと聞いて、相談を始めました。
毛利さん:
私も同じ頃ですね。定例のミーティングで紹介されて、課題を相談できる部署ができたんだなと思い、徐々に連携を深めていきました。
──社内にそういった専門部署ができたことで、どのような変化がありましたか?
島袋さん:
外部の会社と比べて、気軽に質問できる環境が整いました。ちょっとした疑問でもすぐに相談できるのが大きな魅力です。また、サザビーリーグのグループ会社ということもあり、ブランドの背景やトンマナを理解した上でアドバイスをもらえるのが非常に助かります。アウルスケープは、お客様目線とブランド目線の両方の視点を持っているメンバーで構成されているため、様々な角度で施策の具体的な提案をもらえます。
毛利さん:
同感です。気軽に質問できるのが大きなメリットですね。また、アウルスケープのメンバーが増えたことで、それぞれの担当者の個性や専門性を活かした多角的なアドバイスをもらえるようになりました。例えば、20代のメンバーからは若い世代の視点での意見をもらえるなど、社内にはない新しい発想を得られることが大きな強みだと感じています。
Instagram運用の課題と改善策:数値目標の明確化と他社事例の活用
──アウルスケープに相談する前は、Instagramの運用にどのような課題を抱えていましたか?
毛利さん:
TEAROOMは大きく分けて2つの課題がありました。1つは数値目標の管理が曖昧だったこと。そして2つ目は、他社の成功事例をうまく見つけられないことでした。アウルスケープのサポートを受けて、Instagramをただ更新するのではなく明確な目標設定ができるようになったり、サザビーリーグ社内外のブランドの好事例を定期的に紹介してもらうことで、効果的な施策のアイデアも得られるようになりました。
島袋さん:
私も同じような課題を抱えていました。漠然と投稿するだけでなく、何を目的に、どんな数値を伸ばしたいのかを明確にできるようになりました。また、定例会議でリール動画の活用や撮影方法など、効果的な手法を教えてもらえるのも大きな助けになっています。
──具体的にどのような改善策が効果ありましたか?
島袋さん:
一例を挙げると、CTA(行動喚起するための)画像の表示に大きな効果がありました。Instagramで投稿の保存を促す画像を投稿の最後に入れるようにしたところ、保存数が2倍に増加しました。具体的には、3枚以上の投稿をする際に、最後の画像として「フォロー」「保存」を促すイラスト付きの画像を入れてユーザーに能動的なアクションを促す効果を作っています。

また、「お気に入り」機能の使い方を説明するストーリーも効果がありました。Instagramのアルゴリズムでは、よく見るアカウントがユーザーの画面では上位に表示されるというものがあります。しかしAfternoon Teaのアカウントをフォローしてくださるお客様の多くはそのことを知らないのでは、という仮説立てをしました。
そこで、頻繁にAfternoon Teaのアカウントを見ていただくために「お気に入り登録機能の使い方」や「お気に入りボタンの場所」を紹介するストーリーを作成してはどうかとアウルスケープにアドバイスをいただきました。実際にそれを試してみたところ、効果があり、ユーザーに機能の使用を促すことができたと感じています。
毛利さん:
同じくCTA画像の効果は大きかったですね。さらに、「コメントしてね」という一言を入れるだけで、200件ほどのコメントが付くようになりました。Afternoon Teaのフォロワーの方は比較的控えめな方が多いのですが、一言の呼びかけで積極的にブランドとコミュニケーションを取ってくださるようになりました。お客様との対話が活性化したのを実感し、とても嬉しく感じています。
またアウルスケープからは、comnico Marketing Suite(コムニコマーケティングスイート)というSNSの運用管理ツールの活用を提案いただきました。comnico Marketing Suiteを利用し始めてから、投稿の管理がより容易になっています。また、投稿後の数値も簡単に取得できるようになり、このツールの運用がチームで共通化できたので、導入して良かったと感じています。
──他社事例の活用についてはいかがでしょうか?
島袋さん:
アウルスケープから様々な業界の事例を紹介してくれて非常に参考になっています。アパレルや飲食、テーブルウエアなど、幅広い分野の成功事例を知ることで、新しいアイデアが生まれやすくなりました。
例えば、最近ではGIFパズルを使った施策を教えてもらいました。早送りでスクリーンショットを撮ると全部揃うようなパズルを作成し、「いいね」や「リポスト」を促す仕掛けです。これまで思いつかなかった斬新なアイデアで、現在クリエイティブを作成中です。
毛利さん:
サザビーリーグの他ブランドの事例も毎月共有してもらえるので、グループ内の成功事例を学べるのも大きなメリットですね。TEAROOMは飲食業態なので、アパレルが中心のサザビーリーグの中では少し異なる位置づけですが、それでも他ブランドの事例紹介はブランド運営においてとても参考になる点が多々あります。
新たな挑戦:リール動画の活用とスタッフアンバサダー施策
──最近取り組んでいる新しい施策はありますか?
毛利さん:
はい、TEAROOMは大きく2つあります。1つ目はTikTokのようなリール動画の制作です。これまでの自社のビジュアルイメージとは少し異なる、若年層向けの動画コンテンツにチャレンジしています。アウルスケープの20代のメンバーから新しいアイデアをもらえるのが大きな強みですね。
2つ目は、スタッフアンバサダー施策です。スタッフに商品を渡して自宅で撮影してもらい、コメントと写真をストーリーズで紹介しています。この施策は予想以上の効果を上げています。
具体的には、2ヶ月で3回の撮影をしてほしいと店舗スタッフに伝えたところ、毎日写真を送ってくれる熱心なスタッフもいるほどです。自分で撮影した写真が投稿されることで、スタッフのモチベーション向上にもつながっています。
島袋さん:
LIVINGでは、イラストレーターの方とコラボレーションした際にストーリーズで使えるGIFスタンプを配布しました。購入したアイテムの写真と絡めて使用してくださる方も多く、たくさんのリアクションがありました。今後も新規顧客へのコミュニケーションにも繋がるコンテンツや施策を増やしていきたいですね。
──リール動画の制作で苦労している点はありますか?
毛利さん:
Aftenoon Teaは43年の歴史があるブランドなので、これまでのイメージを大切にしながら、どこまで新しい表現ができるかのバランスが難しいですね。社内のクリエイティブチームとの連携も必要になってきます。
ただ、アウルスケープの若手メンバーからアイデアをもらうことで、私たちだけでは思いつかないような斬新な発想が得られています。今後、この動画をどう展開していくか、反応を見ながら検証していきたいと思います。
今後の展望:シェア数増加とアルゴリズムへの対応
──今後のSNS運用の目標と、アウルスケープへの期待を教えてください。
島袋さん:
やはりシェアされる投稿を目指していきたいと思っています。どうすればシェアが増えるかについて、より多くの施策を練っていきたいですね。また、リール動画に関する知見がまだまだ浅いので、現在流行っているものや、エンゲージメントを得られそうなテンプレートなどがあれば、引き続き教えていただきたいと思っています。
アウルスケープには、急な相談にもいつも即座に対応していただき、本当に助かっています。定例会の資料も非常に丁寧でわかりやすく、LIVINGとTEAROOM、2つのブランドそれぞれについて詳細な分析をしていただき大変参考になっています。
毛利さん:
現時点での私たちの大きな課題の一つに、SNSアルゴリズムへの対応が挙げられます。例えば、最近では「シェア」の重要性が増していますが、これにどう対応すべきか模索中です。若年層へのアプローチも重要ですが、既存の顧客層とのバランスを取ることも忘れてはいけません。
私も同じくアウルスケープには、迅速で柔軟な対応に大変感謝しています。リアルタイムでの相談対応や、具体的な実践方法の指導など、非常に実用的なサポートをいただいています。今後は、さらに詳細なデータ分析や、他ブランドとの比較分析などを期待しています。特に、投稿のパフォーマンスと顧客行動の相関関係など、より深い洞察を得られるような分析の支援をしてくれることを期待しています。
